『だろう』経営は危険。
パッケージ商品には、大型修繕は入っていない!
誤解されがちな『修繕費コミコミ』パッケージ
比較的新しい契約では、サブリースに付随してパッケージプランの契約を結んでいるケースがあります。 このプランは、毎月固定の修繕費を支払うことでサブリース会社が換気扇、エアコン、給湯器などの修繕をしてくれるというものです。 大手メーカーでは「○○パッケージ」「○○プラン」といった名称で提供されています。
一見すると、「固定の修繕費を支払えば後は全て対応してくれる」「残りの収入は自由に使える」と思われるかもしれません。 実際そう思われる方が多いのですが、残念ながら修繕費が一切不要になるわけではありません。
契約書の条文を見ていくと、修繕の定義やその範囲についての記載があります。 以下は、条文を抜粋して要約したものです。
- 1. 乙(サブリース会社)の判断で必要の都度、修繕または取り替えを実施します。
- 2. 前項にかかわらず、設備機能の性能回復の範囲を越えて、性能向上、価値増大、グレードアップや新規設置を行う場合は、本契約書で乙の費用負担と規定された修繕項目であってもその費用は甲(オーナー)の負担とします。
この条文が示しているのは、「修繕とは、建築時の状態から劣化したものを補修するだけ」ということです。 より性能の良い設備への交換や新規設置はオーナー負担になります。
例えば、エアコンや給湯器が最初の設置から10年経ち設備として古くなり、新しいものに交換する必要が出てきた場合に、 それらの交換・取付費用はオーナーが負担することになります。 また、外壁の修繕等の大型修繕も対象にはなりません。
そのため、「毎月固定費で払っているので後は任せておけば安心」ということではありません。 大型修繕や、エアコン・給湯器等の交換・取付費用をご自身の手残りから残しておかないと、 いざその時が来ても費用を捻出することができなくなってしまいます。
多くのオーナーにとって誤解されやすい内容になっている『修繕費コミコミ』パッケージ。 もし加入していたとしても範囲外の修繕に備え、手残りが毎月どのくらい残っているか、5年後や10年後にどうなっているのか見通しを立てておくことをおすすめします。